精子の質と運動の関係

精液の質と運動について興味深い研究が出ていたのでお伝えします。

原文:Associations between physical activity and semen quality in young healthy men

Fertil Steril. 2017 Feb;107(2):373-378.e2.

 

この論文によると、医師は患者に対してもっぱら運動することを勧めますが、どうも運動は良い面も悪い面もあるようです。

この論文は、18歳から35歳の若い健常男子を運動をどれだけしているかに分類して、その精液を分析した研究です。

以下の図が示すように、運動をしている群で、動いていない精子の割合が増えています。つまり運動を比較的している人の方が、精液所見の一部が悪くなっているということです。

本文ではこの理由として過度な運動によるホルモンバランスの崩れ、酸化ストレスの増加、精巣温度の上昇などを挙げていますが、はっきりしたことは判明していません。

ただし運動強度は精液量や、精子濃度、総精子数、精子形態には影響を与えないようなのです。また前進運動精子は有意差はついていないものの、運動強度が上がるにつれて減少傾向にありました。

今まで運動は精液検査を改善させると言われていたことが多かったと思いますが、運動の強度が上がるとなぜ死んだ精子と考えられる不動精子が増えるのか?不思議なパラドックスです。これが解明できれば、最適な運動の仕方、運動と一緒に摂取すれば良いものも自ずとわかってくると思います。

以上より、おそらく過度な運動のしすぎはあまり良くないと思われます。外来でも急激なダイエットをした後に精液所見が悪化する方もいますし、運動は程々が良いのではないでしょうか?

木村将貴