この論文は、性的機能障害(SD)と前立腺がん(PCa)の関連性を調査した系統的レビューとメタアナリシスです。木村らの過去の報告も調査対象に含まれていました。以下に主なポイントをまとめます:
- 背景と目的:
- 性的機能障害と前立腺がんの関連性は議論の的となっています。この研究の目的は、SDとPCaの相互関係をレビューし、SDがある男性がPCaを発症するリスクがあるかどうかを明らかにすることです。
- 方法:
- PubMed、Web of Science、Ovid MEDLINE、Embase、Cochrane Libraryのデータベースを用いて、2022年10月までに発表された研究を検索しました。メタアナリシスのプロトコルはPROSPEROに登録されています。
- 結果:
- 215,626人を対象とした20の研究が含まれました。SDのある被験者は、対照群と比較してPCaのリスクが1.62倍高いことが示されました(OR = 1.62, 95% CI, 1.77-2.23, P = 0.003)。
- SDのある患者は、対照群よりも高いPSAレベルを示しました(SMD = 0.07, 95% CI, 0.00-0.13, P = 0.041)。
- しかし、SDと前立腺体積(PV)との関連は見られませんでした(SMD = 0.03, 95% CI, -0.05-0.11, P = 0.122)。
- 臨床的意義:
- 現在の証拠は、SDとPCaのリスクとの間に潜在的な関連があることを示しており、PCa患者におけるSDは臨床医にとって重要な関心事であるべきです。
- 結論:
- この系統的レビューとメタアナリシスの結果、SDのある男性はSDのない男性よりもPCaのリスクが高く、PSAレベルも高いことが示唆されました。ただし、因果関係を確定するためにはさらなる縦断的研究が必要です。
この研究は、SDとPCaのリスクに関する初のメタアナリシスであり、今後の研究の基盤となる重要な発見を提供しています。
References
[1] The association between sexual dysfunction and prostate cancer: a …