先天性陰茎弯曲症(屈曲・弯曲ペニス)

先天性陰茎弯曲症(屈曲・弯曲ペニス)とは?

先天性陰茎弯曲症とは先天的に陰茎が曲がっている状態のことを言います。人によって陰茎の曲りは様々で、下向き、横向き、上向きのどの方向でもあり得ます。軽度の屈曲は問題にならないことが多いですが、様々な原因でコンプレックスを持っている方も多く、手術適応としては陰茎の屈曲の程度のほかに、十分なカウンセリングを通して、精神的負担感や、性交障害の程度を総合して決めることになります。

ちなみに本邦では美容外科医が陰茎の手術を行うことが多いようですが、本来であれば泌尿器疾患であり、その診断と治療は性機能を専門とした泌尿器科医の専門領域となります。当院では日本性機能学会専門医が本疾患の診断と治療を担当いたします。

先天性陰茎弯曲症(屈曲ペニス)の治療法は?

薬物治療等の方法はなく、治療を希望される場合は多くのケースでプリケーション手術を行います。プリケーション法は陰茎海綿体を覆っている白膜に糸をかけて、反対側の陰茎を縮めることにより陰茎を真っ直ぐにする方法です。手術は本疾患の治療経験の豊富な性機能専門医が診療に当たります。

プリケーションの簡略図

手術の合併症はありますか?

背陰部神経、動静脈の付近を操作することもあるため、術後に勃起機能の低下や陰茎の感覚障害の可能性がありますが、徐々に改善することが殆どです。また、稀に創感染、出血が起こり得ます。

手術をするにあたって注意して頂きたいこと

先天性陰茎彎曲症の手術をする際に、注意して頂きたい点があります。まず、プリケーション方は、あくまで縦方向の調整をする手術です。もともと陰茎が捻転(回転)している場合は、プリケーション法によって、陰茎の曲がりを修正することはできても、陰茎そのものの回転を正すことはできませんので、ご理解頂ければと思います。

また、手術後に若干の曲がりが残存することがあります。手術においては可能な限り真っ直ぐに形成を行うように努力しておりますが、微妙な術後の彎曲に関しては性行為に問題がなければ経過をみていただく場合もあります。

プリケーション後の余剰包皮は患者様の希望により切除させていただく場合が多いのですが、時に余剰包皮の切除を後悔する方がいらっしゃいますので、術後の満足度を向上させるためにも、余剰包皮の切除を追加で行うかどうか個別に検討いたします。

受診・診察までの流れ

  • 現在、本疾患に関しては手術をしておりません。
  • ペロニー病との鑑別診断は診療可能です。
  • 薬物療法は無効ですので、手術を希望する場合は他院を紹介させていただきます。

担当医: 性機能学会認定専門医 木村将貴