射出精子の中にCOVID-19が存在した事実

コロナウイルス騒動で世の中大変なことになっていますが、アンドロロジー関連で皆さんにお伝えしたい情報がありましたのでアップします。ちなみにこれはopen accessの記事なので誰でも無料で読めます。

Clinical Characteristics and Results of Semen Tests Among Men With Coronavirus Disease 2019

出典は権威ある医学雑誌の一つJAMAからです。それでは早速みていきましょう。

「研究デザイン」

  • 中国でCOVID-19に感染した50人の患者さんの精液を調べた。
  • 50人のうち12人は勃起障害、意識障害、死亡したため射精できず調査から除外、最終的に38人の精液検査を行った。

結果として38人中6人(15.8%)の精液からCOVID-19が検出されました。下の表は精液検査でCOVID-19陽性患者の詳細です。

ここから分かるのは、38人中15人は急性期であり、そのうち4人が陽性(26.7%)だったということ。またさらに重要なことに、23人の回復した人からも2症例から精液中にコロナウイルスが検出されたという事です。

「まとめ」

非常にセンセーショナルな報告かと思います。38例の小規模なスタディーなので、確定的なことはなにも言えず今後の研究の積み重ねが必要ですが、もしも性行為でコロナウイルスが伝染するとしたら、、、、。性行為感染症としてHIVに匹敵する脅威になりかねないかもしれません。さらにコロナウイルスの精子や卵子などの生殖細胞に及ぼす影響も指摘されています。やはり人類はこのウイルスとしばらく対峙しないといけないことは間違いありません。

今後もこのホームページでは男性学、生殖医学とCOVID-19関連の情報をアップしていきたいと思います。