性行為に関する問題

オルガスム障害、性欲低下、未完成婚について解説します。

無オルガスム症

勃起、射精はしてもオルガスムが得られない状態のことです。性行為に対する不安、ストレス、パートナーとの関係性の問題、性的なトラウマ、セックスに対するネガティブな考え、罪悪感など心理的なことが原因となるケースが多いです。ただし、過度なアルコール摂取、高血圧、糖尿病、慢性疼痛、薬の副作用、内分泌学的異常が原因になることもあり、まずは身体的な疾患がないかどうかのチェックが必要です。

性欲低下・性嫌悪

男性の場合はテストステロンが低下している場合が多く、まずは採血でテストステロン値を調べ、テストステロン値が低い場合はテストステロン補充療法を行うことがあります。またその他の性機能に関わるホルモンも確認し、異常がなければセックスカウンセリングを行います。女性の場合は過去の性的トラウマや相手の態度に対する嫌悪が見受けられ、そのような社会・心理的背景が認められる場合は心理カウンセリング・行動療法を案内します。いずれもカップルの問題であればカップルカウンセリングが必要になります。

性交痛・挿入障害

女性において性交痛や挿入障害があり性行為がうまくいかない場合は治療の対象になります。具体的には痛みの場所を把握、当院婦人科と協力して性交痛となり得る疾患を鑑別し治療を行います。上記に異常なく、心理的な影響が強いと考えられる場合はパートナーも含めたセックスセラピーを提案しています。

未完成婚

結婚した時点で、男女とも両方が性行為を経験したことがなく、セックスをうまくすることができない(性行為の仕方がわからない)ことです。しばしば不妊症となり、問題が起こります。男性では勃起障害、女性では性交痛を認めることもあり、それぞれのカップルに応じてカウンセリングから薬物療法を含めて治療が必要なことがあります。

セックスレス

日本性科学会ではセックスレスを「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシャルコンタクトが1ヶ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合」と定義しています。セックスレスという言葉自体は日本独自のもので、海外にはそのような定義はありません。欧米では性欲低下障害(HSDD: hypoactive sexual desire disorder)という診断名が使われています。性欲の低下によりパートナーの関係性に支障をきたす状態という定義がされており、米国ではAddyiという商品名でHSDDを改善するための薬物治療が行われています。セックスレスは体の問題と言うよりはカップルの関係性の問題が大きく、カップルカウンセリングが必要になることもあります。

参考サイト